太田あさひの日誌

旧・中西香菜さんがおすすめの映画をひたすら観るブログ。アンジュルムの中西香菜さんがおすすめする映画の感想だけでなく、旅行や考えごとについて書き残す。

『ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター』感想

Bunkamuraで開催中の展覧会「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」に行ってきた。

ニューヨークで活動していた写真家のソール・ライターの展覧会。知り合いに激推しされて足を運んだのだがとても良かった。もう一回行きたいくらい。

 

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1950年代の作品を中心に、ライターがニューヨークの日常風景を切り取った写真がずらりと並んでいた。

この切り取り方がとてもおもしろい。窓や柵越しに撮られたものが多く、誰かの日常をこっそり覗いてる感があってついジロジロと見てしまう。高架上から下を覗いたものや、ショーウインドウの向こう側、遠目に映るぽつんとした人影、などなど。普段わたしたちが何気なく見ている日常の場面をポンっと目の前に出されている感じ。普段は気にも留めないのに、写真で見せられると「この人、こんなところで何をしているんだ?」と想像を掻き立てられる人影が写り込んでいるのが楽しかった。

色彩も独特で、豊かというのとはまた違うしっとりとした心地よさがある。モノクロの街並みに差し色のように写り込む赤い車や紫の傘がなんだか気持ちいい。

そんな何気ない日常風景が、鏡やガラス、水滴、曇ったレンズなどの効果で不思議の世界のように仕上がっているところも素晴らしかった。

 

写真作品はもちろん素晴らしかったのだが、ところどころに引用されているライターのことばも良かった。特に気に入ったのは、

「世界は他人への期待で満ちている。期待を無視する勇気があれば、面倒を楽しむこともできる。」

"We live in a world full of expectations, and if you have the courage, you ignore the expectations. And you look forward to trouble."

(注:うろ覚えなので正確さについては勘弁してほしい)

これを読んで、「その感覚、わかるなあ」としみじみ。

わたしも気づいたら便利さとか快適さとかを他人に期待してせかせかと動き回っていることがあるけれど、「のんびりいこ!なるようにしかなんないし!」と期待を取っ払ったときって、しょうもないかもしれないけど、家事とか食事とか生産性のない会話がとても楽しく思えてくる。電車の遅延とか仕事のミスとか人間関係の悩みとかも日常のスパイスのように思えてくる。もっといくと、何の目的もなくその辺を散歩するだけで楽しくなってくる。

「ライターが言ってるのってこういう感覚のことかもなあ」と思いながら、再び写真に目を移す。すると、ライターが切り取ったニューヨークの景色がもっとやさしいものに見えてきた。なんだろうなあ。何ごとに対してもフラット かつ やさしい目線を感じたというか。物ごとを客観的にフラットに見ようとするときって、どうしても冷静になりすぎてしまうことがあるとわたしは常日頃感じているんだけれども、ライターの写真はフラットなんだけど、しっかりやさしさがあるというか。「『普通寄りの肯定』寄りの肯定」みたいな感覚。(え、これ、伝わってる?)

会場のあちこちで引用されているライターのことばによって、彼の人柄をグッと近くで感じることができたので、どんどん引き込まれていった。

 

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なんかここだけ写真撮影OKだったから記念にパシャリ。ライターのお家を再現したらしい。

 

ところで、中西香菜さんが所属していたグループ・アンジュルムでは写真が流行っているので、「誰か観に行っているに違いない!」と思いブログを遡ると、案の定、笠原桃奈さんがOG勝田里奈さんと一緒に行っているではないか。しかも、感想が素晴らしい! 以下、引用。

渋谷のBunkamura ミュージアムにて行われている「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」という展覧会に行きました🎞
 
初めて写真家さんの展覧会に行ったのですが、本当に素晴らしかったです。
フィルムの良さを改めて感じました。一枚から聞こえる音、冷たさあたたかさ、澄んだ匂いと湿気た匂い。
ソール・ライターの写真たちはどれも、ニューヨークの何気ない日常や、家族や友人たちのふとした瞬間を切り取ったものです。
ソール・ライターの言葉たちも私は好きで、
 
「神秘的なことは馴染み深い場所で起きていると思っている。何も、世界の裏側まで行く必要はないんだ。」
 
この言葉通りの光景がソール・ライターの作品には写し出されていると感じました。
決まった何かを撮ろうとしたわけではなくて、ただ魅力的に感じた目の前の日常に向けて、シャッターを切る。
本当に素敵だと思います。何気ないものの中にある、美しさと幸せを見逃さない人だったんだろうと思い、私もそういう人間でありたいと思いました。
 
ニューヨークのような街に憧れはあるけど、私が今住む日本にもそんな普通の幸せを見つけて、写真に残したいですね!

な、なんか、いつもわたしが引用する感想文(誰とは言わない)と完成度がぜんぜん違う。

写真から音とか匂いとか感じ取って文章に表す能力を持つ16歳、ナニモンだよ…。

 

…。

 

なんか負けた気持ちになって悔しくてコメントできないので、大人しく次から中西香菜さんのブログを引用する毎日に戻ろうと思う(多方面に失礼)。

 
 
P.S.
相変わらず、かななんロスすぎてどうしようもない。今までハロメンのブログは全てチェックする厄介な在宅オタクだったのに、かななん卒業後は余程元気なときじゃないとアンジュルムメンバーとか9・10・11期と広瀬彩海さんとか諸々中西香菜さんに近しい人物のブログを読めない人間に成り下がってしまった。
あーあ、ソール・ライター展も桃奈のブログ読んでから行ったらもっと楽しかっただろうなあ。あ〜〜〜幸せ逃してる感がすごい! かななんのソロパートがもう一度聴きたい! かななんが歌って踊っている姿をもう一度観たい! かななん元気ですか! 大好きだよ!
 
P.S. 2
ニューヨークといえば、タイムズスクエアでの年越しイベント「ボールドロップ」を中心に繰り広げられる群像物語映画『ニューイヤーズ・イブ』がとても好きなので、今度感想書きたいなあ。今回の展覧会で1950年代のニューヨークの風景にとても魅力を感じたので、ニューヨークの(できれば1950年代が舞台の)映画をたくさん観たい。