太田あさひの日誌

旧・中西香菜さんがおすすめの映画をひたすら観るブログ。アンジュルムの中西香菜さんがおすすめする映画の感想だけでなく、旅行や考えごとについて書き残す。

1時間だけ高野山に行った話

先日、高野山に行ってきた。

暑いし、人生上手くいかないし、とりあえずどこかに行きたい。
そう友人のインドくん(※)に伝えると、「エベレストに登ろう」という答えが返ってきた。けれど、わたしは登山は嫌なのだ、と返した。なぜなら、昨年、どこかのニコ生主が配信中に富士山山頂から滑落した映像を見てから、どうも恐ろしいのである。

※インドくん
約10年来の友人。物書き。
年に数回作品のPDFファイルを送りつけてくる。
半年ほどインドでヒッピーのような暮らしをしていたことがある。


インドくんにも映像を見せると、少し恐しくなったのか、「それなら天保山やな。滑落したらトップニュースやで」などとあほなことを言っている(天保山の標高は4.53m)。

なんだかんだと話しているうちに、高野山に行くことになった。

翌日、インドくんとは南海高野線新今宮駅のホームで待ち合わせたのだが、これがうまくいかない。わたしが環状線で逆方向に乗ったために、到着が遅れてしまったのである。到着し、インドくんに謝罪した。

「だから何回も言うたやん」
「何を」
「学校の先生が遠足のとき言ってたやろ」
「何をやねん」
「何事も5分前行動やでって」
「まあそうやな」
「先生たちは知ってたんやな、南海高野線は遅れると次の電車は1時間後やって」

始まった、とわたしは思う。インドくんはこういう面倒なギャグが大好きなのだ。適当に相槌を打ちながら聞くことにした。

「きっと教師になったら最初の研修で高野山に行くんやろな。それで遅刻して5分前行動を身につけるんや」

ぶつぶつ言っているインドくんの横でYahoo!乗換案内をいじると、なるほど確かに次の電車は1時間後である。さらに、予定していた帰りの電車に乗るためには高野山での滞在時間はわずか30分しかとれない。ぐぬぬ。これではここで下車して西成の街をぶらぶら歩いた方がおもしろいかもしれない。だが、もう2人は改札を通ってしまっているし、駅員さんに声をかけて出してもらうのもなんだか負けた気分である。仕方ないので10分後の鈍行列車に乗り、途中乗り継ぎながらのんびり行くことにした。

途中、駅で柿の葉寿司を買った。なぜだか無料でレジ袋がついてきたが何も知らないふりをした。


なかなか美味い。
ただ、4貫500円とは少々高すぎる。


和歌山県に入りしばらくしてから、かなり田舎の風景になってきた。
疫病対策で窓が開いているからなのか、この路線が老朽化しているからなのか、元より電車とはこういうものだったのかわからないが、とてもうるさい。耳元で話しているインドくんの声も満足に聞き取れない。自然とふたりは無言になった。

極楽橋駅に到着し、そのままケーブルカーで高野山上へ向かう。

着いたはいいものの、行くあてがあるわけでもないため、とりあえず前を歩く背広の2人組についてバスに乗る。
高野山の中心であろうバス停で降りると、そこは街であった。警察署や銀行、コンビニなど生活するには困らない施設があり、下校途中の小学生の姿もある。何よりきれいであった。
インドくんは「宗教!って感じの街やな」とわけのわからない感想を述べている。

とにかくその街を1時間ほど歩いた。


金剛峯寺では、なにやら念仏を唱える人々の前に回り込み、インドくんは「あいつら、俺らに向かって『真言』を唱えてるな」と言い、


梁に脱帽を求められ、


暇そうな坊さんに台所について詳しくレクチャーされるなどした。


街中で「金剛三昧院」の看板を見つけ、某寿司チェーンを思い浮かべながら進むと、「Kongo-sanmai」と読みが書いてあり、がっかりした。


何やらありがたみのないファンクラブ会員も募集している。ちなみに年会費は10000円。


小腹がすいたので適当に焼きもちを買って食べた。


帰りは特急こうやに乗って帰った。写り込むインドくん。

往復5時間以上、滞在時間1時間。謎の旅であった(自分のせい)。

帰宅してからわかったことなのだが、なんと高野山のさらに奥には空海がいまも生きて修行をしているらしい。
次は一泊して奥まで進み、何としてでも空海に会わねばならない。