太田あさひの日誌

旧・中西香菜さんがおすすめの映画をひたすら観るブログ。アンジュルムの中西香菜さんがおすすめする映画の感想だけでなく、旅行や考えごとについて書き残す。

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』ネタバレ感想

あけましておめでとうございます。
2021年は日常の話メインで映画や小説の感想をぼちぼち更新する予定だが、中西香菜さんの活動の動向も注意して追っておきたい(願望)。

 

遅ればせながら、ツナマヨさん()と一緒に『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を観た。

 

ツナマヨさん
わたしの恋人。ヘアスタイルはボブカット。
出会ってすぐの頃、「『鬼滅の刃』オススメだから見てみて〜」と何の気なしに放ったであろう一言で、流行に乗ることに強い抵抗感を持つわたしをいとも簡単に「鬼滅」の波に乗らせてみせた。
そりゃあ、好きな人にオススメされたら見るよね!(ちょろい)

 

ちょうど1年前の今頃、2日間で一気見したテレビシリーズをもう一度見直してから映画に臨んだのだが、予想以上によかった。

 

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2020)

 

ここから普通にネタバレしていくので注意。

わたしは、ツナマヨさんが「柱が死ぬとこでいつも泣いちゃう」と目を赤くさせながらデジタル書籍で漫画を読んでいるところを見ていたので、「絶対に煉獄さん死ぬやん」と思いながら観ていたら本当に死んだのでなんだかがっかりした。

 

始まってすぐに、アニメーションの奥行きと躍動感に圧倒された。まさしく映像美! そして、ギャグパートの椎名豪とシリアスパートの梶浦由紀という最強音楽担当コンビが、まあ、よかったことよかったこと。これはテレビシリーズの時から思っていたけれど、ギャグパートのテンポの良さとシリアスシーンの悲しみや怒りが違和感なく同居しているのは、音楽のおかげだと思う。観て心地良し、聴いて心地良し。まずは、映像作品としては素晴らしいものだったと思う。

 

ストーリーについては、前半で無限列車の鬼との戦い、後半で煉獄さんvs赤座、という思い切りの良い構成だった。

特に後半パートのラスト、太陽から逃げる赤座に「逃げるな」と炭治郎が叫ぶシーンは圧巻だった。走って逃げる赤座と叫ぶ炭治郎、というシンプルな映像に、花江夏樹さんの演技がとても映えていた。

「逃げるな、卑怯者! 煉獄さんは誰も死なせなかった! 煉獄さんの勝ちだ! お前の負けだ! 煉獄さんの勝ちだ!」

「肉体の強さ」ではなく「戦いの在り方」に重きを置いた炭治郎の言葉は、とても正しくて、とても悲しかった。戦いのなかでいくら誰かを助けても、死んだら自分の人生は終わりだ。死が恐ろしいという理由でならば、わたしは「肉体の強さ」を求める赤座の気持ちがわかったかもしれない。けれど、だからこそ、わたしには、終わりを迎えるとわかっていても「『正しく』在り続ける」煉獄さんの輝かしさが響いた。

「終わりがあるからこそ尊い」という言葉に説得力を持たせるのはとても難しい。人間は欲深い存在だからだ。だが、この映画はその言葉に重い説得力を持たせていた。人間は死ぬ。けれど、正しく在り続ける。それを繋いでいくだれかがいる。だから満足した状態で終わることができる。そんな希望と重さを伝える映画だった。

 

善逸や伊之助が悲しむパートがやけに長いのと、カラスが泣いたのは蛇足かなぁと思ったが、子どもも観る作品と考えれば感情の起伏をオーバーに表現するのも致し方ないか。というか、このシーンがないとただの悲しい物語で終わってしまうのかもしれない。深い悲しみの後にポップで前向きな感情を描くのも、『鬼滅の刃』の特長というか、少年ジャンプ作品らしいなあと思う。

 

ズビズビ泣いているツナマヨさんと、わたしを挟んで反対側に座る終始ニコニコしている少年、という対比も面白かった。少年は、熱い戦いを楽しんでいたのかなあ。ツナマヨさんはハンカチを忘れたことを悔いていた。

 

同僚が「もう4回観た」と言っていたのも納得の作品だった。