『ニンジャバットマン』ネタバレ感想(その1)
前回の『ジョーカー』でだいぶ魂が削られたので、楽しい映画が観たい! でも、バットマン関連の映画も観たい! どうする、俺! となっていたところで、素晴らしい作品の存在を知った。それが、『ニンジャバットマン』(2018)である。
なんでも、2018年5月23日のブログによると、中西香菜さんはDC作品(「マーベル」と肩を並べるアメコミ出版社二大巨頭のひとつ、らしい)の中でいちばん好きなのはバットマンらしい。
バットマンは格別!
色んなバットマンの一面をみましたが、
戦国時代にタイムスリップした、ニンジャバットマン好きすぎて♡
6/15公開のアニメーション映画!
アニメなんだけどアクションがすごかったり、昔の日本のことが出てきたりするのでおもしろいし勉強にもなりました!☺️
最後に無理やり「勉強にもなりました!」とお得情報をくっつけるところが好き。面白いし勉強にもなるし一石二鳥! ただの娯楽じゃありません! ちゃんと身になるものなんです! という真面目なのか厚かましいのかよくわからないオススメの仕方である。あまりにも中西香菜さんらしい。だいすき。
そして、なんと、中西香菜さんがレギュラーを務めるワーナーブラザーズのYouTube公式チャンネル内の番組「やっチャレ!」でも紹介されており、この『ニンジャバットマン』の回は、かななん無双なのである! もうほんとーーーーーーーにかわいくてかわいくてしょうがないので全人類に見てほしい。ほんとにかわいい。だいすき。付き合ってほしい。ごめんなさい。
「やっチャレ!」(第26回「忍者になって楽屋に潜入!ニンジャバットマン」、2015年6月13日公開)
ちなみに、「やっチャレ!」はこの回をもって終了。なんとも悲しい…。
「(映画の)結末言ってもいいですか?」と未聴のファンに詰め寄ったり、バレバレの隠れ蓑の術でちょこまか動き回ったり、手裏剣やクナイをマイク代わりにしたり、刀を鞘に納めるのに失敗して自分の脇腹を刺していたり、とにかくぶっ飛んでるモードの中西香菜さん! かと思えば、ちびっこに質問するときに手で選択肢つくってあげていたり(ちびっこの扱いが上手すぎる)、辿々しくインタビューに答える一般人の話を顔を見てうんうん頷きながら聞いてあげていたり、やさしい中西香菜さん! さまざまな中西香菜さんがいる! かななん無双!
とにかく中西香菜さんがかわいいので永遠に見ていられる。中西香菜さんの天真爛漫なかわいさが詰め込まれている。だいすき。元アニオタ兼声オタからすると、加隈亜衣さんとの絡みが見れたのもよかった。「犬ハサ」のラジオ聴いてたの懐かしい。
しかし、おもしろシーンが多すぎて、肝心の映画については「全部が見所」ということくらいしか頭に残らないとんでもないPR動画でもある。どうやらワーナー・ブラザースの広報には変態がいるらしい。
Amazonプライムでレンタル199円だが、仕方がない。こんなにかわいい中西香菜さんの映像を見せられてしまったのだ。これしきの課金、屁でもねぇ! さっさと観るぞ!
…と、思ったが、『ジョーカー』は良くも悪くもほぼ前情報なしで観たので、今回は少し調べてみることにした。
すると、なんだなんだ、結構な豪華声優陣&スタッフ陣ではないか! 声優陣は、山寺宏一さん、高木渉さん、チョーさんなどのベテランと、加隈亜衣さんを始めとする今をときめく若手〜中堅声優がずらりと並んでいる。これは見応え(聞き応え?)がやばい。さらに、脚本が中島かずきさんとあれば、魂が削られるような悲惨な物語である心配もない。笑いあり涙ありのパワフルなハートフルストーリーに違いない。制作会社の神風動画さんは、短編アニメしか拝見したことがないが、味のあるシュール かつ かっこいい画面を作るのが得意というイメージがある。たのしそう〜〜〜。アニオタの頃の気持ちを思い出す〜〜〜。興奮してきた。
ていうか、そもそも、ゴッサムシティの悪党たちとバットマン一味が丸々全員日本の戦国時代にタイムスリップするというトンデモ設定からして、面白くないわけがない。映画として面白くなかったとしてもトンデモ物としての面白さがあるし、映画として面白かったとしたらトンデモ物なのに面白いという隙のない面白さが味わえる。つまり、どう転んでも面白いはず! いざ尋常に、観賞!
視聴後
めっちゃおもろいやん。期待通りの内容を3段階くらいパワーアップさせてきた感じ。やべえー!『キルラキル』さいこー!…あ、間違えた。わたしが観たのは「バットマン」だったわ! でも、『ニンジャバットマン』を観終えたアニメファンの8割、こう思ったでしょ。絶対そうでしょ。それくらいの中島かずきワールドだった。なんでこれバットマンでやったの?
もうとにかく「トンデモ」にステータスを全振りした素晴らしい映画だった。1回観ただけではツッコミが追いつかなかったので3回も観た。頭がおかしくなった。
ツッコミどころが多すぎたので、箇条書きにした。これ全部語ってたら疲れるんだもん。
- なんでバットマンは中世日本の歴史に詳しいの? ねぇなんで?
- ジョーカー「尾張の国は『ジ・エンド』って意味なんだぜぇ!」 → そんな細かい日本史ネタ! なんで知ってるの? 確かにそういう説あるよね!
- 宣教師コス、ワロタ。
- 悪党トゥーフェイスの城の名前が「双面城」(笑)。他にも漢字の小ネタがいちいちおもろい。
- ちゃんとジョーカー(ゴリラ?)の城が安土城なのウケる! 六角形だか八角形だかの珍しい形なのよね! 詳しくないから他の城はわからんけど、たぶん忠実に再現してあるんだろうな(笑)
- ジョーカーの下っ端が巻物を縦に持ってくるくる回してどんどん次のところを見せていくやつ(なんて説明したらいいかわからん! 歴史物のドラマや映画でよく見るアレ!)をやってるのウケた。いちいち芸が細かい。
- 途中の「日本昔ばなし」的な絵柄は何事なの?! ジョーカーに「かかあ」って言わせたかっただけでは?!
- 絵巻物風に進んでいく「早送りシーン」すごい。アメコミ映画によくある漫画風に進んでいく「早送りシーン」のパロディやん。すごい。
- 当たり前のように新しい技術を持ち込んで歴史を改変するな!
- 富士山! Mt.Fuji!
- 「猿王」(笑)
- これは…ロボットアニメ…?
- これは…ニチアサ…? 戦隊モノ…?
- これは…『タイムボカン』…?
- これは…『キルラキル』…?
- これでもかというほどやりたいパロディを詰め込みやがったな!
- ラストはバットマンっぽい! かっこいい!
- 毎度思うが、山寺宏一のイケボは国宝級。
なんか他にもいっぱいあった気がするし、気づいてないパロディネタとかいーっぱいありそうだけど、こんな感じだった。観ていない方にはなんのことだかさっぱりわからないと思うけれど、この通りの映画なんだよ! 信じてくれ!
ま、やっぱり戦闘シーンが楽しいということに尽きたな!
手裏剣やら変わり身の術やら刀やら、いちいち和風なところが素直にアツイ。如意棒持ってるやつとかいてもうわけわからんかったけど(だって如意棒って中国やん!)。なんにせよ戦国時代“風”ファンタジーの世界観で戦うバットマンたち、激アツ! ツッコミにも書いたけど安土城の描写なんかを初め、日本の歴史的なところの表現はまあまあ正確なのに、あえてズレたところを作って“風”に仕上げているのもいい。「西洋人は中国っぽさも日本っぽさも韓国っぽさも区別がつかないから、創作のなかではごちゃまぜにしやがるよな!」というのを日本でやるのおもしろすぎるでしょ。天才か?
あと、序盤から薄々気づいてはいたんだけれど、これはロボットアニメだった。お城がトランスフォームしてロボットになる。千手観音のロボットも出てくる。千手観音はぶつかると「ゴォ〜ン」って鳴る。ロボ同士の戦闘シーンは圧巻である。なんのアニメだよ。そして、ピンチになると5つが合体して1つの巨大ロボになる。操縦室はいたってシンプルで、レバーがあるのみ。途中からはもう「急にバットマンが『逃げちゃダメだ…逃げちゃダメだ…』とかブツブツ言い出したらどうしよう…」と心配になった。中島かずきだからないと思うけど。劣勢のバットマンチームの建て直しは中島かずき節が炸裂していた。いきなり人情(猿情?)を見せたゴリラ・グロッドが仲間の猿を大量に集めてくれて形勢逆転するのだ(ここの絵面がマジでタイムボカン)。人情と勢いで戦闘シーンがどんどん進んでいくの、めっちゃ中島かずきやん。
でも、最後のジョーカーとバットマンの一騎打ちはしっかりシリアスに決めてくるのもよかったな。いや、ちがうな、途中で変な会話あったな…。
ジョーカー「年貢の納め時だな、バットマン」
バットマン「年貢だと?」
ジョーカー「税金のことだよ」
え、なにこの会話ー!!!!!ばくわら
そして、続くセリフもすんばらしい。
ジョーカー「悪役が税金払ったらおかしいだろ? だからお前が納めるんだ」
えーーーーーーー!!!!ばくわら
個人的にめちゃくちゃツボだった。声出して笑った。まさにばくわら。アメリカ人の粋な言葉のやりとりを「年貢」の話で再現してはいけない。おもしろシーンにしかならない。これ狙ってやってんのがムカつく。めっちゃおもろい。
(どうでもいいけどやっぱり「ばくわら」って字面は爆笑してる感が全くないな。りなぷ〜は天才だな。)
そういえば中西香菜さんも「やっチャレ!」のなかで「戦闘シーンがすごい」みたいな会話を加隈亜衣さんとしてたような気がしてきた(5:20あたりから実際に話しているが、まとめが「全部が見所」なので印象に残らない。「全部が見所」の原因は加隈亜衣さん(当時29歳)であるところが闇である)。中西香菜さんは「キャットウーマンとハーレイ・クインの戦闘シーンがいい」みたいなことを言っていたけど、正直、全然覚えてない。だって、もう、他がやばすぎて…。なんか「女同士の戦い始まってる〜!」と思ったことは覚えてる。それ以外は覚えていない。3回も観たのに。オタクならそのシーンはメモを取りながら集中して観ろ!
最後に、「とにかくテンションと勢いで突っ走る意味のわからない中西香菜さんの動画(めちゃくちゃかわいい)」を『ニンジャバットマン』のPR動画としてYouTubeにUPしたワーナー・ブラザースに拍手を送りたい。この動画、めちゃくちゃ『ニンジャバットマン』を表している! あのかななんの暴走が計算されたものだったなんて!(異論は認めない)
感服した。かななん、これからも映画に関わる仕事してくれないかなあ。してくれないよなあ…。いや、なにをしていても応援する。
ちなみに、「やっチャレ!」の前番組(という扱いでいいと思う)で「シネドラCheck!」という番組があり、そちらも中西香菜さんはレギュラーメンバー。どうやら第113回まで続いた人気(?)番組だったようだが、YouTubeの公式アーカイブは8件しか残っていない。死。bilibiliなどの海外動画サイトでファンがアップロードしたものを見るしか術がない。しかし、基本的にはモーニング娘。などの人気メンバーがゲスト出演している回しか出回っていない。見つけたら手当たり次第にダウンロードしているが、全ての回を見つけることは不可能なようである。なんという…。めちゃくちゃ見たいのに! どーしてくれんだよ! どなたか全てデータ持っているというヤバイオタクの方がいらっしゃれば、そのデータください! Twitter[あさひ(@mm_asahi)] or コメントで連絡お待ちしております!
ていうか、『ニンジャバットマン』、わたしのガバガバ知識でも既存の『バットマン』とは一線を画す(大真面目な)ギャグ映画だというのがわかる。『ジョーカー』の後に観るやつじゃなかった。いや、めっちゃ元気になれたから逆に良かったのか…? とにかく正反対の映画だった。